ハンコの字体の一つ隷書体とは?

印鑑を作る時、印鑑屋のホームページで掲載されているハンコ用の字体の種類の一つに、隷書体と呼ばれる物を見た経験のある人もいるでしょう。隷書体とはいったいどんな文字なのか、ハンコとして利用するとどんなメリットがあるのか、どんな印鑑に使用したらいいのかなど理解し、これから印鑑を作る時には参考にしてください。

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隷書体とは具体的にどんな文字?

隷書体とは、中国で秦の時代に生まれた字体で、篆書体を簡単にして直線的にしたものを指します。それまで書くのが大変だった篆書体よりもかなり簡単になっている為、見やすく、書きやすいとあっという間に広まり、漢の時代に最盛期を迎えました。

楷書に最も近い文字として知られています。主な特徴としては木簡や竹筒に描いていたため、字が平たいです。平べったいからこそ文字数に合わせて縦長や横長の状態にアレンジすることができるため、印鑑を作る時には重宝されています。

一見すると無骨な男性の文字のように見えることも多いですが、男女問わず使用可能な文字です。

隷書体はどんな印鑑に使用可能か

左右対称で平面的な文字は見やすく、わかりやすいことから偽造されると問題のある実印や銀行印に使うことを避ける人は多いです。人によっては銀行印として使用する場合もあるため、全ての人が使用しないわけではありません。

ビジネスシーンで使うことが多い認印などで用いる場合もあるなど、ビジネスで使うことに向いていると考える人もいます。一般的な認印としては楷書体・行書体が多いですが、ある程度威厳があり見やすい字体として書類の資料に印鑑を押す場合や、領収書の担当者印などで利用する場合にわかりやすくて便利です。

隷書体を印鑑として使うメリットとは?

隷書体を印鑑として使う最も大きなメリットは、長期間使用しても文字が欠けにくく、どんな材料を使用しても丈夫さが損なわれないことです。字体によってはハンコを作る時の材料を選ばなければならないこともありますが、隷書体は全く材料を選ぶことがありません。

全体的に太めで平面的な字体であることから、ハンコを押すときに力が均一に入りやすく、きれいに押しやすいのもメリットといえます。印鑑はきれいに押せることが最も重要なポイントですが、隷書体を使うとこの条件をクリアできるため、資料確認や担当者印を押すときにかすれにくいことから、ビジネスシーンで愛用されることが多いです。

朱肉が均一につきやすいのも隷書体のメリットといえます。朱肉が均一につきやすくなる字体である為、印鑑を押すときに朱肉が付かずに欠けてしまうようなことは少ないです。また、平面的で左右対称、さらに細かいすき間がほとんどないことから、長い間使用していても埃や朱肉などの汚れが印鑑につきにくいといいます。

汚れが付くと目詰まりを起こして判読しづらくなるため、定期的につまようじなどで掃除する人もいますが、隷書体の印鑑は目詰まりを起こすことなく長期間使用可能です。特に認印の場合、頻繁に使うため手軽に使えるものが魅力的といわれていますが、隷書体の印鑑なら掃除をせず、手軽にいつでも購入した当時のままで使用できます。

隷書体で印鑑を作る時に注意する事

隷書体でハンコを作る時に注意するべきポイントは、読みやすい字体であるから偽造されやすいことです。

そのため、偽造されたら困るようなところで使用することは避けましょう。簡単に言えば実印・銀行印で使用することは避け、認印やビジネスの時に使用することが最も無難です。金融機関によっては、「あまりにも元の文字がわからない字体は、銀行印として認められない」こともありますが、隷書体で作ると偽造されやすいため、ある程度字の判別をしやすく偽造されにくい字体を選んでください。

隷書体は100円ショップなどで販売されていない為、自分たちで作ってもらうことがほとんどとなるため、朱肉のいらないタイプで作ることも可能です。朱肉を手元に置けない場合や、社内で朱肉を共有していて使いたいときにすぐに使えない場合は、朱肉のいらないタイプで作ったほうがいいでしょう。

印鑑屋で作る時に、「隷書体と古印体はどう違うのか」と迷う人は少なくありません。

隷書体は古代中国で作られた文字であり、古印体は隷書体をもとにして日本で作られた物です。印鑑専用として発達してきた文字で、大宝律令で使用された記録が残っています。隷書体よりも独特の丸みや太さがある文字です。

隷書体よりも線が均一でないように作られていること、多少波打っている部分があることも特徴といえます。字が見やすいため、どちらも認印として使用されることが多いのは、共通点です。どちらを使用しなければいけないということはないため、好みの字体を選ぶといいでしょう。

隷書体はどこで頼んでも一緒なのか

隷書体の印鑑は見やすく作りやすいことから、どこで頼んでも一緒ではないかと考える人が多いです。しかし、少しでも偽造しづらい物を作りたいなら手彫りのほうがいいでしょう。なぜ手彫りの方がいいのかは、ハンコを押したときの印影によって大きく違うからです。

機械彫りの場合はある程度字の感覚が均一で、きれいな物に仕上がります。隷書体の字体も均一で見やすいです。しかし、手彫りの場合には機械彫りではできない、職人にしかわからないような微妙な字体の大きさの違いなどが現れます。

一見すると同じように見えますが、隷書体であっても偽造されにくい物を製作可能です。また、隷書体は長期間使用しても欠けにくいのは特徴となりますが、手彫りにするとさらに欠けにくくなるのも特徴の一つです。文字の太さに変化をつけ、欠けにくくなるように彫っているからだといいます。

同じ隷書体で製作を依頼しても完成した物に大きな違いがあるため、作る時には手彫りの職人がいるところに依頼したほうがいいでしょう。ビジネスで使う認印であっても、職人が手掛けた物を使用すれば他の社員とは一味違う品質の印鑑を押すことができます。

歴史的な伝統を背負った字体

中国で秦の時代に誕生したとされる隷書体は、見やすくてわかりやすい事からビジネスシーンで資料作成や領収書などの担当印として用いられることが多いです。長期間使用しても欠けにくく、掃除しなくてもきれいな印影をキープできることから、多くの人に愛用されています。

古印体は隷書体から生まれた字体で、隷書体よりも柔らかさ・波打つ部分があるのが特徴です。